摂取方法その3

更年期症状や更年期障害の治療行為のために直接、医療行為として体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を補充する療法を「ホルモン補充療法(HRT)」といいます。

これは根本的な治療であり、欧米や北欧などの世界の先進国で、更年期世代からの女性に処方されてる医療行為です。女性の体内にある女性ホルモンを使った治療法として、安全性と有効性が示されています。

現在、日本では飲み薬、貼り薬(貼付剤)、塗り薬(ジェル)が医師の処方する薬として認可されています。

 

<ホルモン補充療法に期待される効果

  • ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)、寝汗、睡眠障害、関節痛などを和らげる
  • 抑うつ気分、または抑うつ症状を改善する。
  • 骨を破壊する細胞(破骨細胞)の生成を抑えて骨密度を増加させる。
  • このため、骨粗しょう症を予防するだけでなく、すでに骨量が減少した女性に対しても 高い骨折予防効果を持つ。
  • 皮膚のコラーゲンやエラスチンを増やし、肌の張りや潤い、柔軟性を保つ。
  • 膣粘膜の乾燥を防ぎ、性交痛を改善させる。
  • 抗酸化作用がある。
  • 血管壁を柔軟にして、心臓血管系疾患のリスクを下げる。
  • 糖・脂質代謝によい影響を与える。
  • 過活動膀胱の症状を和らげる。
  • 認知症リスクを抑える可能性がある。
  • 顎骨(あごの骨)の骨密度を増加させる。
  • ひざやひじ、指の関節などの軟骨の代謝にもよい影響を与える。
  • 大腸がんのリスクを下げる。

(参考:「ホルモン補充療法ガイドライン」編集/監修 日本産科婦人科学会・日本女性医学学会)

 

<ホルモン補充療法に期待される効果

  • 飲み薬

馴じみ深い、口から錠剤を飲む経口剤です。胃腸や肝臓に負担がかかる事があり、胃腸の調子が悪いと利用を控えます。

錠剤の種類には、「エストロゲン単剤(プレマリン・ジュリナ・エストリールなど)」「プロゲステロン単剤(ヒスロン・プロペラなど)」「エストロゲンとプロゲステロンを一緒に配合した配合剤(ウェールナラ)」の3種類。

プロゲステロン単剤は、子宮を有している方のエストロゲン剤服用に併用される。

  • 貼り薬

貼り薬(パッチ)を指定箇所に貼る方法です。皮膚からエストロゲンが入り込み、血液中へ取り込まれます。皮膚から直接取り込まれるために、飲み薬より胃腸や肝臓への負担が少ないと言われますが、かゆみ、かぶれなどの皮膚への影響が出ることもあります。

貼り薬の種類には「エストロゲン単剤(エストラーナーテープ)」と「エストロゲンとプロゲステロンを一緒に配合した配合剤(メノエイドコンビパッチ)」の2種。

  • 塗り薬

ジェル剤を塗ることで皮膚から血中にエストロゲンを取り込む方法。

皮膚から直接取り込まれるため飲み薬より胃腸や肝臓への負担が少ないと言われますが、かゆみやかぶれなどの皮膚への影響が出ることもあります。

塗り薬の種類は主に、「エストロゲン単剤(ディビゲル・ルエストロジェル)」があります。

<更年期障害におけるホルモン補充療法の副作用>

急激に減少するエストロゲンによる、様々な症状の軽減が期待される「ホルモン補充療法(HRT)」ですが、副作用があるともいわれています。使用する薬剤により副作用のリスクは異なりますが、体が治療に慣れてくる1~2か月後までに治まるものがほとんどだとも言われています。代表的な副作用は以下。

  • 不正出血

ホルモン補充療法の副作用の代表的なもの。女性ホルモン本来の働きによるものなので、体に悪影響はなく、飲み始めの1~2か月にみられる。

  • 乳房のハリ、下腹部の痛み等

エストロゲンの作用によるもの。こうした不快症状はほとんど最初だけで体が慣れてくれば治まる傾向に。また、薬の回数や量を調整することで軽減することも可能です。

  • 子宮がんリスク

エストロゲンのみを長期投与し続けると、子宮内膜の増殖が原因で子宮体がんリスクが高まるとも。そのため、子宮を有する方の場合はエストロゲンと併用して黄体ホルモン剤(プロゲステロン)も投与するのが一般的。併用した場合の子宮がんの発生リスクは非常に低くなるとも。3か月以内であればエストロゲン単体の投与でも、子宮に悪影響はないと言われています。

 

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